創発夏の学校では,講義を聞くだけではなく実際に手を動かし,創発を体験するワークショップを実施いたします.本年度は下記4件のテーマについて,気鋭の講師をお招きして開催いたします.各ワークショップには事前準備と当日持参するものがあります.下記に従って各自準備して下さい.
WS1 | 表面筋電図を用いたヒトへの運動教示システムの設計 | 安 h 氏(東京大学) |
近年運動に関する関心が高まっている.効果的なトレーニングやリハビリテーション手法を開発するためには,ヒトの運動メカニズムを理解し,望ましい運動を教示することが重要である.本ワークショップでは表面筋電図などの生体情報を計測し,使用者の運動に応じて外部刺激を与えるバイオフィードバックを考案し,システム構築および評価を行う. | ||
【参加者の方へ】参加に当たっての予習と準備
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WS2 | 自分の運動学習能力を測ってみよう | 瀧山 健 氏(東京農工大学) |
練習を重ねて自転車に乗れるようなる過程、スポーツ・楽器演奏が熟達していく過程、脳卒中発症後などにリハビリテーションを通じて身体が動かせるようになっていく過程、これらは"身体運動学習”の一例です。身体運動学習は我々の日常生活において非常に身近な脳機能の一つです。 本ワークショップでは、1. 実際に皆さんの身体運動学習能力を計測していただき、2. データを解析して自らの身体運動学習の定量化を行い、3. 実際に実験を考えてもらい、データ取得・解析を行っていただく予定です。特に、我々が開発したタブレット端末を傾けるだけで運動学習能力を計測するアプリ(POrtable Motor leanirng LABoratory [PoMLab], Takiyama & Shinya, 2016, PLoS One)を利用して、皆さんの身体運動学習能力を計測します。 |
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【参加者の方へ】参加に当たっての予習と準備
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WS3 | 新規性の発生則と成長則:Yule-Simon過程を用いた分析 | 橋本 康弘 氏(東京大学) |
単語のシーケンスを考えてみましょう。本を読み進むイメージです。すると、知っている単語や知らない単語が次々と現れていきます。どんどん読み進めると、知っている単語の出現回数は伸びていきますが、それでも時折一度も見たことがない単語が現れるでしょう。これは生態系の種の出現に少し似ています。新しい属(種の一つ上の概念)を構成する種が次々と生まれ、属のバリエーションと属が含む種の数が増えていく過程は、単語の種類とその出現回数が増えていくことの粗いアナロジーです。過去から現在までに摂った食事のメニューは?届いたメールの送り主は?使った駅は?視聴したアーティストは?これらも同じく、新しい何かの発生と、その再生産のシーケンスと見ることができます。これらの現象は2つの問いを含んでいます。新規性はどのように生まれるのか?その再生産にはどのような選択圧が働いているのか?このストレートで単純な問いに対して、ミニマムに近いモデルを提供するのがYule-Simon過程と呼ばれる古典的な確率過程です。本ワークショップでは、Yule-Simon過程について学び、ハンズオンのデータ分析で理解を深めてもらいます。その上で、one more thingを一緒に考えていければと思います。 | ||
【参加者の方へ】参加に当たっての予習と準備
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WS4 | サービスロボットとデザイン思考 | 久保田 直行 氏(首都大学東京) |
近年,深層学習などを用いた高度知能化が進むにつれ,様々なサービスロボットが開発されつつあります.そのような流れの中で,オープンイノベーションやオープンインキュベーションに基づく新しいサービスロボットの設計,開発への期待が高まっています.本ワークショップでは,情報支援を対象としたサービスロボットを開発するためのデザイン思考やシステム思考について学び,ペルソナ・シナリオ分析などの要求分析から仕様の策定,ブランディングを行った上で,サービスロボットの具体的なコミュニケーションコンテンツの事例を考えていただきます.例えば,ブランドイメージとロボット名,ロボットの発話の展開のさせ方は深く関係します.最後に,作成したコミュニケーションコンテンツを用いたロボットの実験を行い,サービスロボットのコミュニケーションのカタチについて検討します.「しこう」は,思考,試行,指向など色々な漢字があります.アイデアの創発にむけて,一緒に「しこう」しましょう. | ||
【参加者の方へ】参加に当たっての予習と準備
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