研究の特徴

宇宙ロボット,宇宙探査ローバ,柔軟マニピュレータ,知的適応構造物など,将来の宇宙システムについて,力学とモデリング,制御,知能化,システム設計に関する研究を行っています. 主な課題は,将来の先端的な宇宙システムを実現するための研究開発,および,高度ミッションに応える自律化・知能化に関する研究です. 宇宙と言うと現実離れした印象を与えますが,本質的には機械システムの一つである宇宙システムを力学的に理解し,より良い制御,優れたシステム設計について考えています. 最近では,人間や動物が運動するときに,脳や神経系でどのような情報処理を行い,上手く運動を制御しているか(運動知能)を発見し,それを応用することによって,これまでの方法では実現できなかった,システムの知能化を図ろうとしています. 具体的課題として,宇宙ロボットや宇宙探査ローバや知的適応構造物の知能化制御とシステム設計,太陽発電衛星のシステム設計,超軽量な宇宙構造物を実現するインフレータブル構造物について研究しています. また,生物の運動知能を探るために,蝶の飛翔に関する研究も行っています. これらの主題を一言で言うと「宇宙システムや機械システムの力学的理解と生体の運動知能理解に基づく知能化制御とシステム設計」となります.

研究と指導の進め方には,以下のような特徴が挙げられます. まず,全ての研究において,力学,制御,構造,システム,情報の基礎学理に重点を置き,理解の上に考察を加え,研究を進めてもらうようにしています. また,理論的検討,数値シミュレーションとともに,研究が実物から遊離しないためと教育的効果を考えて,装置実験を重視しています. そのため,実際に装置を作製し,動かすことにより,他では得られない達成感を味わうことができます. 次に,将来の宇宙システムを研究対象としているので,夢と意欲を持って研究に取り組むことができます. しかし,力学,構造力学,制御工学,ロボット工学,システム工学,情報工学など幅広い礎のもとに研究をしていますので,ここで学んだ学生は,航空宇宙のみならず,機械,電気,情報など様々な分野で活躍しています.

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